「だ・である調で書くと、文章が威圧的になってしまったり、同じ語尾が続いて小学生の作文のようになってしまったりする」という悩みを抱える人は多い。文章を滑らかかつ格調高く保つためには、変換の定石と、語尾の分散パターンを身につける必要がある。
敬体から常体への主要変換パターン
基本ルールとして、敬体の文末助詞や助動詞を、機械的に常体へ置き換える対比関係を頭に入れておくことが第一歩となる。
- 〜です ➔ 〜だ / 〜である(例:重要です ➔ 重要だ / 重要である)
- 〜ます ➔ 〜動詞終止形(例:調査します ➔ 調査する)
- 〜でした ➔ 〜だった / 〜であった(例:困難でした ➔ 困難だった / 困難であった)
- 〜ました ➔ 〜動詞過去形(た)(例:判明しました ➔ 判明した)
- 〜ません ➔ 〜ない(例:認められません ➔ 認められない)
- 〜ではありません ➔ 〜ではない / 〜ではないのだ(例:例外ではありません ➔ 例外ではない)
文末の単調さを防ぐ「3回連続同一語尾の禁止」テクニック
文章のプロが実践する鉄則に「同じ文末表現を3回連続で使用しない」というガイドラインがある。「〜だ。〜だ。〜だ。」と続くと、リズムが死んで文章が極端に稚拙に見える。これを回避するための実践的な書き換え例を見てみよう。
【稚拙な例(「だ」「である」の単調な連続)】
本調査における回答者の65%は若年層であった。彼らは情報収集の主軸をSNSに置いていた。従来のテレビ報道への接触機会は極めて少なかった。この傾向は今後も続くと予想される状況である。
【劇的に改善された例(バリエーションと体言止めの活用)】
本調査における回答者の65%は若年層で占められた(動詞過去形)。彼らが情報収集の主軸に据えるのはSNSである(断定・である)。一方、従来のテレビ報道への接触機会は極めて乏しい(形容詞終止形)。デジタルネイティブ世代を中心としたこの消費動向は、今後も継続する見通しだ(名詞+だ)。
このように、「動詞終止形」「形容詞」「助動詞(〜にほかならない、〜と考えられる)」「名詞で終える体言止め」を交互に配置することで、同一のリズムが崩れ、論理的でありながら躍動感のある文面が完成する。