ファンが館内に足を踏み入れ、真っ先に向かうのが「システィーナ・ホール」だ。バチカンのシスティーナ礼拝堂天井画・壁画を原寸大で再現したこの大空間こそ、あの熱唱の舞台となった場所である。一歩足を踏み入れると、頭上いっぱいに広がるミケランジェロの壮大な世界観と、足元から立ち上る厳かな空気感に誰もが言葉を失う。
鑑賞のコツとしてまず押さえておきたいのは、時間帯ごとの表情の違いだ。開館直後の午前中や閉館前の静けさが漂う時間帯は混雑が緩和され、あの放送当時の静謐な雰囲気を体感しやすい。また、ホールの中央付近に立つと、歌声の響きや残響がどのように空間を満たしたのかを肌で実感できる。当時の演出で使用された燭台の配置に思いを馳せながら見上げる天井画の美しさは、唯一無二の体験と言えるだろう。