物語序盤から杉元佐一たちが追い求めた「のっぺら坊」の正体こそ、アシリパの父親であるウイルクその人でした。かつてアシリパに山での狩猟技術や生きる知恵を教え込んだ優しい父親「アチャ」は、網走監獄で凄惨な変貌を遂げた姿で生きていたのです。
彼がのっぺら坊と呼ばれるに至った理由は、顔面の皮膚を剥がされ、目と口の穴だけが残された異様な風貌にありました。過酷な拷問と厳戒態勢のなか、声すら奪われていた彼は、脱獄囚たちの皮膚に「刺青人皮」として金塊の隠し場所を示す暗号を刻み込み、外部へと放ちました。杉元が網走監獄の奥底で対面した瞬間、アシリパと同じ青い目(シャチの目)を確認したことで、長きにわたる疑惑は確信へと変わりました。