ネット上の情報には、事実と異なる憶測が混ざり合っています。典型的なのが「東京シャツは倒産してブランドが消滅した」という誤認です。前述の通り、これは地方店舗の退店情報のみを部分的に切り取ったバイアスであり、法人としての事業は継続して新商品を供給しています。
もう一つの盲点は、製品の「洗濯方法」に関するユーザーの誤解です。「超形態安定だから何をしてもシワにならない」と信じ込み、全自動洗濯乾燥機の高温乾燥(タンブラー乾燥)に長時間かけたり、脱水を10分以上強くかけたりして生地を傷めるケースが見受けられます。形態安定シャツは、生地に含まれる水分が重力で下に落ちる力を利用してシワを伸ばす「保水乾燥」が基本です。脱水時間を1分前後に抑えて陰干しするという原則を守れば、アイロンが全く不要な仕上がりになります。
また、デザイン面に関する先入観もあります。かつては「ボタン糸の色が派手」「内襟の別布プリントが目立ちすぎる」といった一部デザインに対して否定的な意見もありましたが、近年のコレクションでは無地や織り柄を中心としたシンプルかつモダンなビジネススタイルへ軌道修正されています。