黒木の才能を誰よりも早く見抜き、パートナーとして指名したのは月組の絶対的トップスター・大地真央だった。「大地真央の相手役」という重責は、生半可な覚悟で務まるものではない。二人の関係性は単なる劇団内の先輩・後輩を超え、舞台上で魂をぶつけ合う対等な共犯関係へと進化していった。
その到達点となったのが、ブロードウェイの名作ミュージカル『ガイズ&ドールズ』である。スカイ・マスターソンを演じる大地の圧倒的な色気と、救世軍の娘サラ・ブラウンに扮した黒木の清廉かつ芯の強い歌声。二人が織りなすケミストリーは、宝塚の枠組みを飛び越え、日本の舞台芸術史に残る金字塔を打ち立てた。大地が放つアドリブや規格外のエネルギーに食らいつき、舞台上で輝きを増していく黒木の姿は、観客を熱狂の渦へと巻き込んだ。