なぜこの場所が「星信仰の聖地」と称されるのか。その核心には、日本神話における開闢の神であり、宇宙の根源とされる天之御中主神の存在がある。仏教の妙見菩薩や北斗七星信仰と混淆しながら、天空の中心で揺るぎなく輝く北極星のように、人々の暮らしと国家の安寧を見守る存在として崇められてきた。
歴史の裏舞台を見ても、その影響力は広大だ。江戸幕府を開いた徳川家康は、日光東照宮を建立する際、江戸の真北に位置する北辰(北極星)ラインを強く意識したとされる。その精神的な防衛線の一端を担ったのが、この地域に広がる星宮神社群だ。国家規模の風水と星の配置が密接に絡み合う背景は、現在神社本庁に所属する全国の神社の中でも極めて特異な歴史的文脈を物語っている。