那須連山の裾野に広がる那須高原。澄み切った伏流水と冷涼な高原気候は、牛にとってストレスのない理想的な環境を生み出している。ここで育まれる「とちぎ和牛」は、全国の枝肉共励会でも最高位の常連だ。キメ細やかな霜降りと、指の温度ですら溶け出すほど融点の低い脂。その質の高さを支えているのは、長年血統と飼料を突き詰めてきた地域の畜産業のたゆまぬ努力にほかならない。
JA全農とちぎが厳格な基準で管理する指定生産者の手によって、肉のオレイン酸含有率は極限まで高められる。単に脂が乗っているだけではない。赤身そのものに力強いアミノ酸の旨味が凝縮されており、加熱した際に放たれる甘い和牛香が鼻腔をくすぐる。サシの美しさに目を奪われがちだが、本質は赤身の底力にある。この肉の真価をダイレクトに引き出す調理法こそが、地元が誇るステーキなのだ。