ぎふ清流里山公園の前身は、2003年(平成15年)4月に開園した第三セクター運営の有料テーマパーク「平成記念公園 日本昭和村」です。オープン当初は中村玉緒氏が初代名誉村長に就任し、昭和30年代の木造校舎や茶畑、水車小屋を再現したレトロ空間として大きな話題を呼びました。しかし、開園初年度に約120万人を記録した年間入場者数は、娯楽の多様化やリピート率の低下に伴い、末期には40万人前後まで落ち込みます。大人800円〜1,200円(時期により変動)という入場料設定が客足を遠のけ、運営会社の累積赤字が行政課題として浮上しました。
転機が訪れたのは2018年4月です。岐阜県と美濃加茂市は、テーマパーク型の独立採算モデルに限界を認め、公の施設としてのあり方を根本から再定義しました。県営の都市公園として位置づけを改め、名称を「ぎふ清流里山公園」へと刷新。最大の目玉政策として打ち出されたのが「入場料の完全無料化」でした。
美濃加茂市公式発表資料および岐阜県都市公園整備計画の公の記録を紐解くと、この無料化は単なる値下げではなく、「定住自立圏構想」と「周遊観光のゲートウェイ化」を狙った政策的投資であることが分かります。入園料をゼロにすることで周辺自治体や中京圏からの日常的な流動人口を呼び込み、敷地内の飲食・物販、体験型アトラクション、天然温泉、そして併設する「道の駅みのかも」での民間収益と地域経済波及効果で還元させるビジネスモデルへと舵を切ったのです。