原作者・芥見下々が描く世界は容赦がない。人気キャラクターであっても容赦なく命を奪われる中で、なぜ戦闘能力を失った彼女が生き残ったのか。そこには明確なメッセージが隠されているように思えてならない。
呪術界というシステムは、強者が弱者を搾取し、あるいは強者が強さゆえに孤立して死んでいく構造だった。その中で、最後まで「弱者」であり続け、かつ生き延びた彼女は、新時代の呪術界における「普通の人間が普通に生きられる世界」の象徴なのだ。生き残ることは、時に戦って死ぬことよりも苦しい。彼女はその苦しみを引き受ける役割を与えられたのだろう。