古着ディーラーやコレクターの間で最も頻繁に議論されるのが「羊マークの向き」です。ウールリッチの象徴である羊(リッチズ・ウール・ラム)は、時代によって顔を向けている方角が反転しています。
この変化は単なるデザイナーの気まぐれではなく、ブランドの商標登録やコーポレートアイデンティティ(CI)の刷新に伴って生じた公式な仕様変更です。
具体的には、1950年代以前の古いアーカイブピースでは羊が「左向き」にデザインされていました。その後、1960年代に入るとデザインが近代化され、羊は「右向き」に変更されます。この右向き羊の時代は1970年代・1980年代と長く続き、黄金期のアメリカンアウトドアカルチャーを象徴するシンボルとなりました。
しかし、1990年代初頭のCI見直しによって、羊のアイコンは再び「左向き」へと原点回帰します。つまり、「羊が左を向いている=超ヴィンテージ(50s以前)」か「近代レギュラー(90s以降)」のいずれかであり、「右を向いている=60s〜80sの黄金期ヴィンテージ」という明確な境界線が存在するのです。