私たちが親しんでいるあの楽曲の正式名称は『ラジオ体操の歌』である。だが、現在歌われているバージョンが実は「3代目」である事実を知る人は意外に少ない。
初代が誕生したのは1928年(昭和3年)。当時の簡易保険局が制定した体操に合わせて作られたが、テンポや曲調は現在と大きく異なっていた。続く2代目は1937年(昭和12年)に登場し、戦時色の濃い時代背景を反映した勇壮なマーチ調の楽曲だった。敗戦後、人々に希望と活力を取り戻してほしいという強い願いから、1951年(昭和26年)に現行の3代目が誕生した。
作詞を手掛けたのは、数々の名作歌謡を生んだ作詞家の井田誠一。「新しい朝が来た 希望の朝だ」というストレートで力強いフレーズには、焦土から立ち上がる日本全体へ向けた、純粋な再起のエネルギーが込められていたのだ。