パック裏面の原材料名欄をチェックしたことがあるだろうか。「牛乳」の分類に属するものは、生乳100%のみを使用し、水や他の成分を一切加えてはならないと定められている。一方で「乳飲料」は、生乳や乳製品をベースにしつつも、カルシウムやビタミン、あるいはコーヒーや果汁といった乳製品以外の原材料を加えることが認められたカテゴリーだ。
決定的な差異は、栄養成分の「安定性」と「目的」にある。生乳そのままの牛乳は、牛の飼料や季節によって乳脂肪分や無脂乳固形分が微妙に変動する自然の恵みそのものだ。これに対し、乳飲料は栄養強化を目的とした「機能性」重視の製品と、味を楽しむ「嗜好性」重視の製品に大別される。例えば、カルシウムや鉄分、ビタミンDを増強した低脂肪タイプは健康志向の消費者に好まれるが、一方で果糖ブドウ糖液糖などを添加した嗜好系乳飲料は、知らず知らずのうちに糖質を過剰摂取してしまうリスクも潜む。原材料表示を見ずに価格だけで選ぶと、「栄養を補給するつもりで余計な糖分を摂っていた」という本末転倒な事態になりかねない。