犬が眠っている最中に呼吸が乱れる現象は、大きく分けて「正常な生理現象」と「身体疾患のシグナル」の2つが存在します。まず確認すべきは、犬の睡眠ステージです。犬は浅い眠りであるレム睡眠の割合が人間よりも高く、睡眠時間の約2割を占めています。
レム睡眠中、脳は活発に活動しており、夢を見ている犬はまぶたが動いたり、手足をピクピクと走るように動かしたり、小さく「クゥーン」と鳴いたりします。この運動に合わせて一時的に呼吸が浅く速くなる現象は、健康な犬でも日常的に見られる自然な反応です。目を覚ました後に普段通りの落ち着いた呼吸へ戻るようであれば、過度な心配は不要といえます。
一方、室温が高いことによる体温調節の乱れや、強いストレスを感じている場合も呼吸が速くなります。特に夏季や暖房の効きすぎた室内では、犬は汗腺が発達していないため、寝息を荒くして熱を逃がそうと試みます。周囲の環境要因を排除してもなお、持続的に呼吸が速い状態が続く場合は、病的な要因を疑う必要があります。