『秒速5センチメートル』が浴びせられる「気持ち悪い」という評価は、作品としての出来の悪さを意味するものでは決してありません。むしろ、人間のエゴイズム、執着の醜悪さ、そして青春期特有のナルシシズムを、誤魔化すことなくリアルに切り取ってしまったがゆえに生じる必然的な拒絶反応と言えます。
桜の花びらが舞う息をのむような美しい風景の中で繰り広げられるのは、痛々しいほど未熟な青年の自縛と、現実を歩む女性たちの冷徹なまでの自立です。その圧倒的なギャップに直面したとき、嫌悪感を抱くのも、胸を締め付けられて涙するのも、どちらも本作が観客の心の最も柔らかな部分に深く突き刺さった証拠にほかなりません。自分自身の過去の未熟さと向き合う覚悟を持って鑑賞するとき、本作はただの「鬱アニメ」を超えた、残酷で美しい人生の通過儀礼として心に刻まれるはずです。 (出典: 秒速 5 センチ メートル 気持ち 悪い(Yahoo!ニュース))
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