インターネット上の噂では「メキシコでプレーしていてもNPB時代と同等の大金を稼いでいるのではないか」「事実上の引退状態ではないか」といった極端な言説が散見されます。しかし、これらは現地プロ野球の実情を知らない誤解に基づいています。
第一に、メキシカンリーグの給与体系はNPBのような年俸制ではなく、シーズン中の月給制(通常4ヶ月〜5ヶ月間)が基本です。外国人助っ人の月給上限規制(サラリーキャップ)が存在し、トップクラスであっても月給1万ドル前後(約150万円前後)が相場です。ウィンターリーグへの参加やインセンティブを含めても、NPBの一軍中堅クラスが手にする数千万円規模の年俸には届きません。
第二に、球場間の移動や治安面のリスクなど、日本国内では考えられない生活ストレスが存在します。移動は長時間のバス移動が日常茶飯事であり、結果が出なければ即日解雇を告げられる完全な実力主義です。安楽が異国のマウンドで結果を出し続けている背景には、過去の不祥事に対する贖罪と、野球選手としての存在証明をかけた必死のサバイバルがあります。