産科診療ガイドラインや日本産婦人科医会の発信情報に照らし合わせても、子宮口指を入れる危険性と子宮口自己チェック感染リスクは計り知れません。産院で行われる内診では、滅菌手袋の着用はもちろん、清潔な器具と無菌操作が徹底されています。日常的な手洗い程度では、爪の隙間や皮膚表面に潜む黄色ブドウ球菌や大腸菌などの常在菌を完全に除去することは困難です。
自己チェックによって生じる主なリスクは、以下の3点に集約されます。
第一に、上行性感染症(絨毛膜羊膜炎など)の誘発です。膣内に雑菌を持ち込むことで頸管から羊膜へと炎症が広がり、子宮内感染を引き起こします。これにより胎児機能不全や新生児の敗血症といった不可逆的な重篤被害を招く恐れがあります。
第二に、前期破水の誘発です。臨月の子宮口周辺は非常に柔らかく、胎児を包む卵膜がすぐ間近まで下降しています。手探りで指を挿入した際、尖った爪や強い圧迫によって卵膜を傷つけ、破水を引き起こしてしまう事故が後を絶ちません。
第三に、子宮頸部の裂傷と出血です。妊娠末期の子宮頸部は血流が極めて豊富であり、充血した脆弱な組織となっています。無理に指先を差し込もうとすれば容易に出血をきたし、前置胎盤や低置胎盤が隠れていた場合には母胎の生命に関わる大出血に発展しかねません。報道や医療事故報告でも、自己触診を試みた妊婦がパニックを起こして深夜に救急搬送される事案が確認されています。