この写真にまつわる最大の都市伝説が、「撮影者は億単位のギャラや著作権料を手に入れたのではないか」という金銭にまつわる噂です。ネット掲示板や一部のまとめサイトでは、テレビ各局が画像を使用するたびに巨額の許諾料が支払われ、撮影者は悠々自適の印税生活を送っているという根拠のない言説がまことしやかに語られてきました。
しかし、当時の関係者への取材や各種報道資料を照合すると、実態は正反対であることが判明しています。タケ氏は「金銭的な対価やギャラを一切要求しなかった」というのが揺るぎない事実です。
写真が社会現象となり、全国のワイドショーやスポーツ紙、週刊誌がこぞって取り上げる際、所属事務所であるアクティブハカタ側はタケ氏に対して丁重な連絡を取り、謝礼や権利の扱いについて相談を持ちかけました。その際、タケ氏は次のような趣旨のスタンスを崩さなかったと伝えられています。
「自分はただ、彼女の魅力とグループの素晴らしさを多くの人に知ってほしくて撮っただけ。彼女が有名になり、夢に向かって羽ばたいてくれることが最大の報酬です」
法理上、写真の著作権(著作権法第10条1項8号)は撮影したタケ氏に原始的に帰属します。仮に厳密な著作権を行使して二次使用料を請求していれば、相応の対価が発生していた可能性は否定できません。しかし、彼は権利を行使して自らの利益に変える道を選ばず、事務所がプロモーション素材として自由に使用できるよう、事実上の無償許諾を与えました。私利私欲を排除し、被写体への純粋な敬意を行動で示したこの姿勢こそが、彼を単なるネットの目撃者から「真の恩人」へと昇華させたのです。