ネット上の掲示板やSNS、知恵袋を調査すると、発熱に悩むユーザーのリアルな悲鳴が可視化されてきます。「朝のアラームで止めた瞬間、カイロのように熱くなっていて焦った」「カメラを起動して動画を撮ろうとすると『フラッシュが無効です。iPhoneの温度が下がるまでお待ちください』と表示されて撮影できない」といった体験談が多数報告されています。
大手街角修理店(アイサポ等)の現役整備士に取材すると、近年の修理現場特有の傾向が見えてきます。あるチーフエンジニアは次のように実情を語ります。
「お客様の多くは『突然電源が入らなくなった』と持ち込まれますが、分解してみるとバッテリーがパンパンに膨らみ、内部の放熱シートが焦げ茶色に変色している事例が目立ちます。発熱を繰り返していたのに『まだ使えるから』とモバイルバッテリーで給電しながら使い続けた結果、メイン基板のCPU周辺にあるハンダが熱疲労でクラック(ひび割れ)を起こし、通電不能に陥っているのです」
また、ユーザーの間で根強く信じられている「使っていないアプリを上スワイプで小まめにタスクキルする」という習慣についても、現場からは意外な指摘がなされています。iOSのエンジニアリングチームが過去に明言している通り、バックグラウンドにあるアプリの多くは一時停止(フリーズ)状態に置かれており、電力を消費していません。むしろ、強制終了したアプリを再度ゼロから起動する際に大量のCPUリソースと電力消費を伴い、かえって発熱を誘発してしまうケースが多いのです。