リモートワークの浸透以降、カフェ探しの決定打となっているのが設備面の実用性です。ネット上では「六本木カフェの穴場作業スペース」として紹介される事例も見られますが、現地取材班の検証結果から言えば、長時間の本格的なPC作業を目的に訪問することは推奨できません。
まず、ブルーボトルコーヒー六本木の電源 Wi-Fi環境についてファクトを確認します。店内にはブランド共通のゲスト用フリーWi-Fi(高速暗号化接続)が整備されており、実測の下り速度は85Mbps〜110Mbpsと極めて高速で安定しています。クラウドストレージへの大容量ファイル転送やオンライン動画の閲覧もストレスなく行えます。
一方で決定的なネックとなるのが電源コンセントの不在です。ブルーボトルコーヒーの空間哲学は、創業者ジェームス・フリーマンが提唱した「目の前の一杯のコーヒーと対話、空間そのものを五感で味わう」という理念に基づいています。そのため、他社チェーンのように全席やカウンター席にコンセントを完備する設計は原則として採用されていません。一部の柱周りや足元に設備点検用ポートが見られるケースはあるものの、一般客への電源開放は行われていないのが現場の実態です。
この仕様が示す意味は明快です。フル充電されたノートPCやタブレットを持ち込み、1時間程度でスマートにタスクを処理したり、企画のアイデアをスケッチしたりする「タッチ&ゴー」の利用には最適であるものの、半日居座って作業に没頭するコワーキング的な用途には明確に不向きです。「静かで落ち着いているから作業スペースになる」という表層的な情報だけを信じてバッテリー残量が乏しい状態で訪れると、思わぬ誤算に見舞われることになります。