下準備が整ったら、いよいよ調理の真骨頂です。鍋を囲んで一気に具材を並べるのではなく、「最初の一口は肉のみを味わう」のが鉄則です。
ステップ1:牛脂を馴染ませ、肉を「焼く」
熱した鉄鍋に牛脂をまんべんなく塗り広げます。鍋底が十分に温まったら、割り下をごく少量(鍋底に薄く広がる程度)垂らします。ジュワッと音が立ち上がった瞬間、牛肉を広げて投入。肉の表面に割り下を絡ませるように泳がせ、片面5〜6秒、裏返して3〜4秒のミディアムレアで引き上げます。溶き卵を潜らせて口に運べば、とろけるような柔らかさと肉本来の脂の甘みに驚かされるはずです。
ステップ2:具材を順序正しく配置する
最初の一枚を堪能した直後、鍋には肉の脂と旨味が溶け込んだ割り下が残っています。ここに、まずは旨味を吸わせたい長ネギと焼き豆腐を並べます。ネギに香ばしい焼き色がついたら椎茸、下茹でしたしらたきを投入し、割り下を少量足して中火で煮含めます。
ステップ3:肉と野菜の交互リレー
野菜に火が通ってきたら、鍋の空いたスペースに再び割り下を少量注ぎ、2枚目以降の肉を焼きます。春菊は火の通りが早いため、肉を焼く直前に鍋の端へ加え、シャキッとした食感を残すのが名手の手順です。