日本で流通するタコは、身が締まり濃厚な旨味を持つ「マダコ」と、冷水域に生息し体が大きく水分量の多い「ミズダコ(北海ダコ)」に大別されます。両者では肉質と皮の厚みが異なるため、さばき方のアプローチを変える必要があります。
「ミズダコのさばき方」では、体が巨大なため足1本ずつに切り分けて作業を進めます。ミズダコは皮が分厚くゼラチン質が多いため、生食する際は「タコの皮の剥き方」をマスターすることが不可欠です。足の皮と白身の間に親指を差し込み、皮を外側へめくるように引っ張ると、ツルンと太い白い身(芯の部分)だけを綺麗に取り出せます。剥いだ皮や吸盤は熱湯に数秒くぐらせて冷水に取れば、絶品の酢の物やポン酢和えとして活用できます。
続いて「タコ刺身の切り方」です。茹でダコや生タコの刺身は、繊維の断ち方ひとつで口当たりが劇的に変わります。食感を柔らかく楽しみたい場合は、包丁を斜めに寝かせて身を広く削ぎ落とす「そぎ切り(削ぎ切り)」にします。さらに表面に細かく格子状の浅い隠し包丁を入れる「波造り(鹿の子造り)」を施すと、醤油の絡みが格段に良くなり、噛むほどにタコの甘みが口いっぱいに広がります。