愛犬がおしっこを漏らしたり、夜中に何度も排泄で起きたりすることに困り果て、「水を与える量を意図的に減らす」という誤った対処をしてしまう飼い主が一部に存在します。しかし、これは絶対にやってはならない命に関わる重大な誤解です。
多飲多尿を呈している犬の身体は、体内の水分が異常なスピードで失われており、「飲まないと生きていけないから必死で飲んでいる」状態です。ここで給水を制限すると、短時間で重度の脱水症に陥り、急性腎不全や循環不全、ショック死を引き起こします。原因疾患が特定されて治療が始まるまでは、新鮮な水をいつでも自由に飲める環境を絶対に維持してください。
家庭でできる重要な確認作業として、犬の脱水症状チェック方法を把握しておくことが推奨されます。
代表的な簡易判定法は以下の2つです。
- スキンツルゴール試験(皮膚の弾力性):愛犬の背中や首の後ろの皮膚を指で軽くつまみ上げて放します。健康な状態であれば瞬時(1秒以内)に元の平らな状態に戻りますが、脱水していると皮膚がつまんだ形のまま数秒間残ります。
- 毛細血管再充満時間(CRT)と歯茎の乾燥:上唇をめくって歯茎を指で強く押し、白くなった部分が元のピンク色に戻るまでの時間を計測します。通常は1〜2秒で戻りますが、脱水や循環不良があると3秒以上かかり、歯茎自体もネバネバあるいはカサカサに乾燥しています。