古着好きの間で最も知られるペンドルトン年代判別の見分け方は、織りネームの仕様変更を押さえることから始まります。オレゴン州ポートランドで誕生した同社は、時代ごとの法改正やブランディング戦略に合わせてタグのデザインを緻密に変更してきました。ここではペンドルトンヴィンテージタグ変遷を50年代から90年代まで時系列で解き明かしていきます。
1950年代(50s)の特徴:深みのある青タグと羊毛マークの不在
ペンドルトンタグ50年代特徴の最たるものは、通称「青タグ」と呼ばれるネイビーブルーの織り地に、ゴールドやイエロー系の糸でブランドネームが刺繍されている点です。「PENDLETON WOOLEN MILLS」「PORTLAND, OREGON」の文字が整然と刻まれていますが、最大の特徴はウールマークが一切存在しないことです。
タグの四辺がダイレクトにシャツへ平縫いされている個体が多く、サイズ表記(S・M・L)はタグ本体に組み込まれず、下部に小さな別タブとして挟み込まれているか、襟裏にスタンプされているケースが主流です。ウール地自体も高密度で肉厚、現行品にはない重厚な風合いを放っています。
1960年代(60s)の特徴:ウールマーク登場という歴史的転換点
60年代はペンドルトンの歴史において最大のディテール変化が起きたディケイドです。ポイントとなるのがペンドルトン60年代タグウールマークの出現時期です。
国際羊毛事務局(IWS)が品質保証のシンボルとして「ウールマーク(手を組んだような毛糸の意匠)」を制定したのが1964年。そのため、60年代前半の製品にはウールマークがなく50年代に近い面構えをしていますが、1960年代半ば以降のタグにはウールマークが配置されるようになりました。タグの左下や脇にこのマークが入り、表記が「100% VIRGIN WOOL」から「PURE VIRGIN WOOL」へと徐々に切り替わっていったのがこの時代の特徴です。
1970年代(70s)の特徴:爽やかな白タグとケア表記の台頭
古着市場で最も流通量が多く、デイリーに着こなしやすいのが70年代モデルです。ペンドルトン70年代白タグ見分け方の基本は、それまでの青地から一転して「オフホワイト〜白色」のベース生地へと刷新された点にあります。
中央上部に大きなウールマークが掲げ出され、その下にブランドロゴ、さらに「DRY CLEAN ONLY」といった洗濯表記の文言やサイズ表記(M, Lなど)がタグ右下などに直接織り込まれるようになりました。70年代中期以降は、ポリエステル混紡素材をライニングに使用したモデルや、取り扱い方法を明記したサブタグ(ケアタグ)が首元や裾裏に添えられるようになります。
1980年代(80s)の特徴:目立つ原産国表記と法的規格への適応
ペンドルトン80年代タグ表記を読み解く鍵は、アメリカの繊維製品原産国表示法の改正です。70年代の白タグのレイアウトをベースにしながらも、タグ下部に明確なボールド体でペンドルトンMADE IN USA表記年代であることを示す「MADE IN USA」の文字が刻まれるようになります。
裏面や下部に付く品質表示タグには「RN 29685」という同社の登録事業者番号(Registered Identification Number)が明確に印字され、素材管理が近代的な工業製品として規格化された時代の空気を感じ取ることができます。
1990年代(90s)の特徴:海外生産への移行とタグの近代化
90年代に入ると、白タグのフォントがシャープで洗練された現代的な書体にシフトします。90年代中盤まではアメリカ自社工場製を死守していましたが、90年代後半になると「MADE IN USA OF IMPORTED FABRIC(輸入生地を使用した米国縫製)」の表記が登場し、やがてメキシコ製やアジア諸国での縫製へと舵を切っていきます。純粋な「アメリカ製ウールシャツ」としての歴史を追うコレクターにとって、90年代中頃はひとつの終着点となっています。