映画とラルクを語る上で欠かせないもう一つのトピックが、2003年に公開された映画『MOON CHILD』です。シンガーソングライターのGACKTが原案を手がけ、hydeとW主演を務めた近未来アクション映画として話題を独占しました。
当時、ネット上や一部週刊誌では「hydeの映画出演を巡ってメンバー間に亀裂が入り、バンドが活動休止状態になったのではないか」という憶測が飛び交いました。しかし、これは明らかな誤認です。実際のタイムラインを検証すると、2000年代初頭は各メンバーがそれぞれソロ活動(hyde、TETSU69、S.O.A.P.、acid android)を本格化させ、個々の表現領域を拡張していた時期に当たります。
hyde自身も当時のインタビューで「表現者として新しい刺激を求めていた時期であり、GACKTからの熱烈なオファーによって未知の演技の世界に飛び込んだ」と述懐しています。映画『MOON CHILD』でヴァンパイア・ケイ役を演じ切った経験は、その後のhydeのシアトリカルなステージングや表現力に計り知れない厚みをもたらすこととなりました。