ネット掲示板やSNSの利用者の間には、現在でも法的に誤った認識が散見されます。代表的な誤解と、実務上のリアルな法的判断基準を整理します。
誤解1:「拾い画像を個人の端末に保存するだけなら無罪である」
これは明確な誤りです。現行の法制度では、性的な盗撮画像であることを知った上でスマートフォンやPCに保存・所持する行為そのものが「性的姿態等不正撮影画像等保管罪」に問われます。捜査機関による家宅捜索や押収令状執行の際、端末内に保存された画像データが存在すること自体が直接的な犯罪の証拠となります。
誤解2:「海外サーバーや裏アカウント経由なら身元は特定されない」
これも典型的な錯覚です。2025年以降の情報流通プラットフォーム対処法の運用本格化に伴い、大手プラットフォーム事業者に対する発信者情報開示の迅速化が義務付けられました。VPN(仮想プライベートネットワーク)や海外のプロキシサーバーを経由している場合であっても、アクセスログの保全命令や国際捜査共助ルートを通じて、接続元のプロバイダが特定される事例が日常的に発生しています。
誤解3:「モザイク処理や顔を隠して投稿すればプライバシー侵害にならない」
顔が直接写っていなくても、服装や持ち物、撮影場所の特殊性、あるいは投稿文面との組み合わせによって「周囲の人物が特定の個人を識別できる状態」であれば、名誉毀損罪や肖像権侵害、プライバシー侵害が成立します。損害賠償請求訴訟においても、被害者の精神的苦痛が認められれば多額の賠償命令が下されるのが近年の司法判断の潮流です。