現在、日本の食品衛生行政において最も厳格な管理が求められているのが、消費者庁の食品表示アレルゲンに関する最新基準です。かつて7品目だった特定原材料は、木の実類のアレルギー症例急増という疫学調査の結果を受け、2023年3月に「くるみ」が追加されました。2年間の移行期間として設けられていたくるみ義務化の経過措置は2025年3月31日をもって完全に幕を閉じており、2026年現在流通しているすべての容器包装食品において、くるみの記載漏れは即座に法令違反とみなされます。
これにより、現在の特定原材料8品目義務化の対象は「えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、くるみ」となりました。さらに注目すべきは、表示が推奨される特定原材料に準ずるもの20品目の動向です。ナッツ類の消費拡大に伴い重篤な症例が増加している「カシューナッツ」については、特定原材料への格上げに向けた調査検討が消費者庁の専門調査会で加速しており、事業者には義務化を見据えた早期の管理体制シフトが突きつけられています。
現場で多発している初歩的ミスの一つに、「旧パッケージの在庫流用」があります。経過措置期間中に印刷した包装資材が残っていたとしても、2025年4月以降に最終包装・出荷された製品に旧表示が使われていれば法的な救済措置はありません。原材料の仕入れ元が変わった際の確認漏れを含め、自社のサプライチェーン全体で食品表示法アレルギー表示基準への適合を再点検することが急務です。