皮膚の黒ずみは、解毒と排泄を担う2大臓器の機能低下によっても引き起こされます。肝臓病皮膚の黒ずみは、一般的に「肝性顔貌(かんせいがんぼう)」と呼ばれ、顔全体がくすんだ土褐色や浅黒い色調に変化するのが特徴です。
肝機能障害の自覚症状として有名な黄疸(ビリルビン沈着による皮膚や白目の黄変)と並行し、肝臓で代謝されるべきメラニン刺激物質やエストロゲンのバランスが崩れることで色素沈着が進みます。手のひらの母指球や小指球が赤くなる「手掌紅斑」や、首胸元に赤い放射状の血管が浮き出る「くも状血管腫」が同時に現れている場合は、慢性肝炎から肝硬変へと進展している強いシグナルです。
一方、腎不全色素沈着では、本来尿中に排泄されるべきウロクローム色素や尿毒素が皮下組織に沈着し、独特の灰褐色〜黄褐色の肌色を呈します。透析導入前の保存期腎不全や長期透析患者に見られることが多く、重度の貧血(腎性貧血)による青白さと老廃物の沈着が混ざり合うことで、特有のくすんだ顔色を形成します。