ドームクラスの手前に位置する「1万人規模のアリーナ」として、東の日本武道館や横浜アリーナと並び称される大阪城ホールですが、建物の設計思想には明確な差異が存在します。特に遠征組が気になる武道館キャパ比較において、両者の体感距離と動員力には顕著なコントラストが見られます。
「聖地」と呼ばれる日本武道館の公称収容人数は約14,471人ですが、実際のコンサート運用では八角形のすり鉢構造ゆえにステージ裏や見切れエリアが大量に発生し、実動員数は約8,000人から9,000人程度にとどまります。一方の大阪城ホールは長方形のオーバル(楕円)構造を採用しており、長軸方向に奥行きがあるため、アリーナフロアの拡張性において武道館を大きく凌駕しています。
また、アリーナの床面形状が平坦かつ広大であることから、花道やバックステージ(バクステ)、トロッコといった大規模な空間演出を組み込みやすいのも大阪城ホールの強みです。首都圏の旗艦アリーナである横浜アリーナ(最大約17,000人、実動員約12,000〜13,000人)と比較すると収容人数はわずかに譲るものの、天井高約21メートルという開放感と反響を抑えた音響設計により、「音と視界のトータルバランスが最も優れた大型アリーナ」として音響エンジニアからも長年高く評価されています。