Web上では「100均のシャワーカーテンを塩素系漂白剤や洗濯機で定期洗浄して1年以上持たせる」といった節約術が見受けられますが、これは素材の物性を見落とした非合理的なアプローチと言わざるを得ません。
極薄のPEVA素材は塩素系漂白剤(ハイター等)に長時間浸すと、酸化劣化によって柔軟性を失い、パリパリに硬化してわずかな摩擦で破断します。また、洗濯機での脱水は遠心力によってハトメ穴を一瞬で引き裂くリスクがあるだけでなく、防水シートが洗濯槽に張り付いて異常振動を起こし、洗濯機本体を故障させる危険性すら孕んでいます。
ここで重要なのが、「清掃にかかる時間的・精神的コスト」の計算です。ニトリや無印良品の1,500円のカーテンを買い、毎月カビ取りスプレーを吹きかけてブラシで擦り、ゴムパッキンをケアする作業には、洗剤代と相応の手間が発生します。対して110円の製品であれば、黒カビが目立ち始めた時点で「洗わずに丸ごと廃棄し、新品に架け替える」という運用が成立します。
年に4回、季節の変わり目ごとに新品へ交換したとしても年間の総支出はわずか440円。常にカビのない清潔なカーテンで入浴できるメリットを考えれば、100均シャワーカーテンの真価は「高耐久性」ではなく「使い捨てが許容される圧倒的な交換サイクル」にあると結論付けられます。
なお、付属のプラスチック製カーテンリングは開閉時に外れやすいため、快適性を高めるなら同じく100均で調達できる「ステンレス製S字フック」や「リングランナー」に交換しておくのが現場の定石です。ハトメ部分の摩擦が大幅に軽減され、開閉時の破れリスクを半減させることができます。