現場で働く職人や作業員を指す「ガテン系」という言葉。日常会話にすっかり定着していますが、そのルーツは1991年にリクルートが創刊した求人情報誌『ガテン』にあります。 創刊当時、土木作業や建築現場、ドライバーなどの仕事は、きつい・汚い・危険を意味する「3K」と呼ばれ、若者から敬遠されがちでした。そうしたネガティブな風潮を打破すべく、現場で働く人々の汗や誇り、潔い生き様をポジティブに肯定する新しいカテゴリーとして打ち出されたのが雑誌『ガテン』でした。「ガテンなヤツらが、好きだ。」というキャッチコピーとともに、作業着に身を包んだ若者たちをファッショナブルかつ逞しく描いたことで、社会現象となったのです。 言葉の由来自体は、日本語の慣用句である「合点(がてん)がいく=納得する、承知する」という江戸言葉から来ています。物事の筋道を通し、納得した上で誇りを持って仕事を引き受ける男気やプロ意識が、雑誌名に込められていました。2004年に情報誌としての『ガテン』は休刊(Web移行後に終了)しましたが、言葉そのものは「現場で身体を動かして働く技能職」を指す愛称として日本社会に残り続けました。
ガテン系とブルーカラーの違いとは?
混同されやすい言葉に「ブルーカラー(青襟労働者)」があります。社会学や経済学において、ブルーカラーは工場での製造ライン作業員、警備員、清掃員など、肉体労働全般を包括する広い概念です。 一方の「ガテン系」は、ブルーカラーの中でも建設業、土木業、解体業、電気・設備工事、大型貨物輸送といった、直接現場へ赴き、身体能力と専門的な職人技を連動させてインフラを造り上げる職種に特化して使われる傾向があります。単なる作業員ではなく、「腕一本で現場を収める職人」という敬意と親しみが込められている点が、制度的な分類であるブルーカラーとの決定的な違いです。