米国精神医学会が発行する診断基準『DSM-5』において、自己愛性パーソナリティ障害は「誇大性」「賞賛への過剰な欲求」「共感性の欠如」を核とするパーソナリティ障害に分類されています。臨床現場では、以下の9項目のうち5つ以上が長期にわたり持続しているかどうかが診断の基準となります。
日常のチェック診断の目安となるのが、自己の重要性に関する誇大な感覚、無限の成功や権力へのとらわれ、自分が「特別」であり特別な人にしか理解されないという思い込みです。さらに、過剰な賛美を要求する、特権意識を持ち理不尽な期待を抱く、自己の目的達成のために他者を利用する、といった行動様式も顕著に現れます。他者の気持ちを認識しようとしない共感の欠如、他者への激しい嫉妬、あるいは傲慢で横柄な態度は典型的な兆候です。
単なる「自信家」や「野心家」と決定的に異なるのは、「他者の尊厳を踏みにじっても平然としている点」にあります。他者を対等な人間としてではなく、自分の自尊心を満たすための「道具(自己愛プール)」としてしか認識できない点が、精神医学上の重大な境界線です。