「首の後ろのしこり何科を受診すべきか」という問いに対しては、しこりが存在する「解剖学的な深さ」と「随伴症状」から論理的に逆算する必要があります。不適切な診療科を選んでしまうと、再初診の手間や処置の遅れにつながります。
首の後ろのできもの皮膚科形成外科を選ぶべきケースは、病変の主座が「皮膚そのもの」にある場合です。鏡で見たときに皮膚表面が赤くポツッと盛り上がっている、毛穴の中心に黒い点(粉瘤のヘソ)が見える、触ると皮膚と一緒にしこりがつまめる、といった状態であれば皮膚科または形成外科が専門領域となります。特に粉瘤を痕を残さず綺麗に摘出したい、あるいは化膿して強い痛みを伴う急性期であれば、超音波検査を用いた局所麻酔下の小切開排膿や被膜摘出術を得意とする形成外科の受診が最も合理的です。
一方で、首のしこり耳鼻咽喉科受診が絶対的に推奨されるのは、皮膚表面には全く異常がなく「皮膚の下の深い層」にしこりを触れる場合です。耳鼻咽喉科は耳や鼻だけでなく「頭頸部外科」として首から上のすべてのリンパ節、甲状腺、唾液腺、深部軟部組織のエキスパートです。首の後ろのしこり熱がある場合や、押すと喉の奥まで響くような鈍痛がある場合、ファイバースコープによる咽喉頭の観察や頸部超音波(エコー)検査、血液検査を即座に実施できる耳鼻咽喉科が第一選択となります。