アーモンドとピーナッツの最大の違いは、そもそも植物としての成り立ちが根本から異なっている点にあります。市販のミックスナッツに当たり前のように混ざっているため混同されやすいですが、生物学的な分類において両者は親戚ですらありません。
アーモンドはバラ科サクラ属の落葉高木に実る果実です。植物学的にはアンズやモモ、スモモと極めて近い仲間に位置づけられます。春になると桜にそっくりな白や薄桃色の美しい花を咲かせ、初夏から夏にかけて果実を実らせます。私たちが普段口にしているアーモンドは果肉部分ではなく、熟して自然に裂けた果肉(果皮)の内側にある硬い殻(内果皮)を割り、その中から取り出した「仁(じん)」と呼ばれる種子そのものです。そのため、植物の分類上は完全に「木の実(樹木になる種実類)」に属します。
対するピーナッツは、樹木ではなく草本植物であるマメ科ラッカセイ属の一年草です。分類としては大豆、小豆、エンドウ豆などと同じ「豆類」に属します。その特異な生態こそが、和名である「落花生(らっかせい)」の由来となっています。黄色い花が咲いて受粉を終えると、花の根元から「子房柄(しぼうへい)」と呼ばれる茎のような器官が下に向かってぐんぐん伸び、なんと自ら土の中に潜り込んでいきます。そして日光の当たらない地中でサヤを肥大させ、その中に実をつけるのです。
なお、流通現場における呼称の違いについても整理しておく必要があります。「落花生」は植物全体やサヤ付きの状態を指すことが多く、殻を割って取り出した種子の状態や、加工・焙煎されたものを「ピーナッツ」と呼ぶのが一般的です。木の上に実るアーモンドと、土の中で育つピーナッツ。育つ空間も植物の系統も、文字通り天と地ほどの開きがあります。