運動によるエネルギー消費量を客観的に測る指標として、厚生労働省や国立健康・栄養研究所が採用しているのが「METs(メッツ)」です。安静時を「1METs」としたとき、その運動が何倍のエネルギーを消費するかを示します。
一般的なジョギング(時速7〜8km程度)の強度が7.0〜8.0 METsであるのに対し、縄跳びはペースに応じて8.8〜12.3 METsという極めて高い数値を記録します。つまり、同じ時間運動した場合、縄跳びはジョギングの約1.2〜1.5倍、平均して約1.3倍のエネルギーを消費する計算になります。
なぜ縄跳びはこれほど短時間で多くのカロリーを消費できるのか。その理由は、運動生理学的な3つの特徴にあります。
第1に、「全身の抗重力筋をフル活用するジャンプ動作」です。跳躍と着地の連続運動は、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、大臀筋といった下半身の巨大な筋肉群に強烈な負荷をかけます。筋肉量の多い下半身を激しく動かすことで、酸素消費量が瞬時に跳ね上がります。
第2に、「体幹のスタビライザー機能」です。空中でバランスを保ち、ブレずに連続して着地を繰り返すため、腹直筋や腹横筋、脊柱起立筋が常に緊張状態を維持します。これにより、単なる有酸素運動にとどまらず、自重による高強度な体幹トレーニングを同時に行っている状態が生まれます。
第3に、「EPOC(運動後過剰酸素消費)効果」です。縄跳びのような高強度運動を行うと、運動終了後も数時間にわたって体が酸素を多く取り込み、代謝が高い状態(アフターバーン効果)が持続します。運動中だけでなく、運動を終えた後も脂肪が燃えやすい状態が続く点が、低強度のウォーキングなどと決定的に異なる強みです。