アルバムアートの歴史を紐解く上で、ストーム・ソーガソン率いるデザイン集団「ヒプノシス」の貢献は計り知れない。ストーム・ソーガソンは、デジタル合成が存在しない時代に、巨大な建造物や何百頭もの豚、あるいは火につつまれた男を実際に現場へ配置し、生々しいリアリティをフィルムに収める手法を貫いた。彼の生み出すシュルレアリスム的なグラフィックデザインは、視覚を通じて音楽の概念を劇的に拡張した。
彼らの妥協なき制作プロセスは、後世のクリエイターたちに多大な影響を与えた。単に楽曲のイメージをイラスト化するのではなく、アルバム全体の概念を象徴する抽象的コンセプトを構築する――この思想によってアルバムアートは、商業的パッケージから前衛的な芸術表現へと昇華を遂げたのである。