お薬手帳を忘れた際の対応をめぐっては、利用者の間でも長年にわたり不満や疑問が渦巻いています。ネット掲示板やSNS上に投稿されたリアルな声を集約すると、患者側の心理と医療制度の間に横たわる深いギャップが浮き彫りになります。
「手帳を忘れただけで40円取られた。シールを渡されて『自分で貼って』と言われるくらいなら最初から手帳なんていらない」
「毎回持っていくのを忘れて家に何冊もお薬手帳がたまっている。薬局に言われるがまま新しい手帳を作らされて無駄すぎる」
「マイナンバーカードを出しているのに、なんで紙の手帳を忘れたら高くなるのか意味が分からない」
行動経済学の観点から分析すると、人間は「得をすること」よりも「損をすること」に対して約2倍強く苦痛を感じるという「損失回避バイアス」を持っています。本来は「手帳持参者が40円安くなる優遇措置」であるにもかかわらず、窓口で「手帳がないので高くなります」と案内されると、患者は「理不尽にペナルティを課された」と認識してしまい、強い不快感を抱くのです。
さらに現場を混乱させているのが、薬局ごとに異なる受付時のコミュニケーションです。一部の薬局では、患者とのトラブルを避けるために「お薬手帳はお持ちですか?」「ありません」というやりとりの後、差額の説明を一切せずに手帳なしの高い点数で会計を通してしまうケースが散見されます。明細書を自宅で確認して初めて加算に気づいた患者が不信感を募らせるという構造的な問題が今も続いています。