世界で一番高い山はエベレストじゃない?測り方で変わる頂点の真実

世界で一番高い山はエベレストじゃない?測り方で変わる頂点の真実

世界で一番高い山はエベレストじゃない?測り方で変わる頂点の真実に関する疑問を詳しくまとめました。最新データをご確認ください。

「世界で一番高い山は何か」という問いに対する答えは、どこを基準線として測るかによって3通りに分かれます。私たちが普段口にする標高とは、ジオイドと呼ばれる「平均海水面」をゼロメートルとして計算した海抜高度を指します。この基準に従う限り、ネパールとチベット自治区の国境に位置するヒマラヤ山脈のエベレストが単独首位である事実に揺るぎはありません。

ところが、山の「山体の根元から山頂までの自立した構造物としての高さ(比高)」に着目すると、ランキングの頂点はハワイ諸島に位置する休火山、マウナケアへと移ります。マウナケアの海抜標高は4,205mですが、太平洋の深海底にあるベースから頂上までを一塊の山体として測ると、そのマウナケア海底標高を含めた総高度は約10,210mに達します。エベレストがチベット高原という広大な高台の上に立っているのに対し、マウナケアは海洋底から一気に1万メートル超を立ち上がっているため、純粋な山体の巨大さという視点では地球上で並ぶものがありません。

さらに興味深い基準が、「地球の中心(地心)から最も離れた場所」という測り方です。地球は完全な球体ではなく、自転の遠心力によって赤道付近が外側へ大きく膨らんだ回転楕円体の形状をしています。この地球物理学的な特徴の恩恵を最大限に受けているのが、南米エクアドルに位置するアンデス山脈のチンボラソ山です。

チンボラソ山の海抜標高は6,263mにとどまりますが、南緯1度という赤道直下に位置するため、地球の中心から山頂までの距離は約6,384.4kmを記録します。対するエベレストは北緯28度と赤道からやや離れているため、地球の中心からの距離は約6,382.3kmとなります。つまり、宇宙空間に最も近い地球上の地点、あるいは地球の核から最も突き出た頂を競うならば、エベレストを約2.1kmも引き離してチンボラソ山が文句なしの世界一となるわけです。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。