脱脂粉乳とは、生乳から乳脂肪分を遠心分離などで除去した「脱脂乳」を濃縮し、スプレードライ(噴霧乾燥)法などによって水分を蒸発させて粉末状にした乳製品です。厚生労働省が定める「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」において、その規格基準は「生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの」と明確に定められています。
一般家庭で広く流通している「スキムミルク」と脱脂粉乳にどのような違いがあるのかと疑問を抱く読者は少なくありません。結論から言えば、脱脂粉乳とスキムミルクは同一の物質です。公的な法規や業務用流通、貿易統計では「脱脂粉乳」という名称が用いられ、家庭用・小分けパッケージとしてスーパーなどで一般消費者に親しみやすくブランディングされた呼称が「スキムミルク(skim milk=脂肪をすくい取った牛乳)」に過ぎません。
一方で、製菓原料や非常食として比較される「全脂粉乳」とは根本的な成分設計が異なります。全脂粉乳は生乳の脂肪分を抜かずにそのまま乾燥させているため、牛乳本来の濃厚なコクと風味を持ちますが、脂質が多いため酸化しやすく賞味期限が短いという特徴を持ちます。脱脂粉乳は脂肪分をほぼゼロ(1%未満)まで排除しているため、長期間の備蓄に耐えうる安定性を獲得しています。