日本電産(現ニデック)の株価が一時的な暴落や乱高下に見舞われた背景には、同社が描いていた「EV成長シナリオ」の大幅な修正があります。主軸と位置付けられていたEV向けトラクションモーター(E-Axle)において、世界最大のEV市場である中国で苛烈な値下げ競争が勃発。数量拡大を優先した結果、サプライチェーン全体での採算が急速に悪化し、大幅な事業構造改革費用や減損処理を迫られたことが市場に強烈な失望感を与えました。
公式決算資料や記者会見の場において、経営陣は従来の「シェア至上主義」から「収益重視」へと180度の戦略転換を表明。不採算案件の選別や内製化比率の見直しを進めましたが、初期に織り込まれていた過大な成長プレミアムが剥落したことで、株価の急激なバリュエーション調整(マルチプルの低下)が引き起こされた経緯があります。
さらに、グローバルな金利環境の高止まりやEVシフト全体の踊り場(キャズム)が重なり、機関投資家の売りが加速。好材料と悪材料が出るたびに株価が上下に大きく振れる、極めてボラティリティの高い相場環境が形成されました。