日本国内で「やればできる」というフレーズが広く認知された大きな契機の一つが、愛媛県の私立・済美高等学校です。同校は2002年の共学化とともに「やればできる」を正式な校訓に制定。その直後、創部わずか2年目の野球部が2004年春の選抜甲子園で初出場・初優勝、夏の甲子園でも準優勝という快挙を成し遂げ、校歌の歌詞にある「やればできるは 魔法の合いことば」とともに日本全国へ鮮烈なインパクトを残しました。
この済美高校野球部出身のお笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行さんが、トレードマークのオレンジ色のスーツと底抜けの笑顔で「やればできる!」と叫ぶ芸風を確立したことで、言葉の認知度は全世代へと再拡大しました。高岸さんの発するメッセージは、厳しい練習を耐え抜いた実体験と底知れぬ善意に裏打ちされており、多くの人々に純粋な勇気や活力を与え続けています。
さらに学習塾のCMで話題となった「YDK(やれば・できる・子)」というキャッチコピーも加わり、このフレーズは日常の教育や応援シーンに深く根付くことになりました。しかし、社会への浸透と並行して、受け手側の心理に潜む思わぬ副作用も浮き彫りになっていきます。