1966年に開館した鹿児島県文化センター(宝山ホール)は、音響設計においてもクラシックなホール特性を備えています。ネット上の口コミやクラシック愛好家、ロックファンの間でも宝山ホールの音響に対する評判は公演ジャンルによって評価が分かれる傾向が見られます。
オーケストラの定期演奏会やアコースティックライブ、演劇公演においては、「木造の響きを感じさせる温かみのある残響」「肉声のセリフがホワイエ近くの席までしっかり届く」と高い評価を得ています。中音域から高音域にかけての減衰が素直で、生楽器の繊細なニュアンスを拾い上げやすい構造が功を奏しています。
反面、現代のラウドなロックバンドや重低音を多用するEDM、ダンス&ボーカルグループの公演では、PAスピーカーから出力される大音量がホール後方の壁面や反響板に干渉し、「低音がやや回って輪郭がぼやける」「歌詞の抜けがスポイルされることがある」といった声も現場関係者から聞かれます。音圧を楽しむ前列か、音の混ざり合いと全体のサウンドバランスを落ち着いて聴く中通路後方席かによって、体験の質が変わる点は意識しておくべきでしょう。