海外ミュージカルの宝塚化において、演出家・小池修一郎氏の功績は計り知れません。ウィーン初演版を観劇した小池氏が、トートという存在を主役に据え、宝塚歌劇の様式美(男役トップスターと娘役トップスターの恋愛構造)に見事に落とし込んだ潤色・演出は、世界各国の上演関係者からも極めて高い評価を獲得しています。
トートのヴィジュアル面における独創的な青白いメイクや幻想的なウィッグ、黄泉のダンサー「黒天使」を用いた視覚的な死の世界の構築、シルヴェスター・リーヴァイ氏による名曲群を宝塚のオーケストラ編成に合わせて磨き上げた音楽構成など、細部に至るまで計算し尽くされています。
ファンの口コミや劇評においても「宝塚歌劇が誇る最高傑作」と称される背景には、単なる輸入ミュージカルの再現にとどまらず、宝塚固有の美学と重厚なウィーンの歴史が奇跡的なバランスで融合した完成度の高さがあります。