二人のアスカは、碇シンジとの関係性および物語の終着点においても全く異なるルートを辿りました。
旧劇場版『Air/まごころを、君に』における惣流は、量産型エヴァンゲリオンとの壮絶な死闘の末に凄惨な最期を遂げます。サードインパクト後の赤い海辺でシンジから首を絞められ、ラストに残した「気持ち悪い」という一言は、他者との不完全なディスコミュニケーションの象徴として伝説となりました。
対照的に新劇場版の式波は、第13号機との戦いで使徒の力を解放し肉体を失いますが、マイナス宇宙において大人の姿でシンジと対面します。シンジから「僕もアスカが好きだったよ」と告げられ、式波もまた「あんたのこと、好きだったんだと思う。でも、私が先に大人になっちゃった」と過去の好意を穏やかに受け止め合いました。呪縛から解放された式波は、シンジの手によって現実の世界へと送り出され、完全な精神的救済を果たしました。