ワックスペーパーとは、薄手の紙に食品用パラフィン(ロウ)やワックスを染み込ませたり、表面にコーティングを施したりした加工紙のことです。古くからパラフィン紙やロウ引き紙と呼ばれ、防湿性や保香性が求められる薬品の包み紙やキャラメルなどの包装紙として重宝されてきました。
最大の強みは、ロウの皮膜がもたらす優れた耐油性と耐水性にあります。揚げ物から染み出る油分や、サンドイッチの野菜から出る微量な水分をしっかり防ぎ、手や器を汚しません。また、紙の繊維組織の隙間にロウが浸透しているため、独特の半透明感としなやかなコシがあり、折り目をつけた形状を美しく保持できる特性を持っています。
ここで混同されやすいのが、製菓製パン資材である「グラシン紙」や「硫酸紙」との違いです。薄手で半透明という外見上の共通点はあるものの、製造プロセスと物理的特性はまったく異なります。
グラシン紙は、パルプの繊維を高度にすりつぶして高圧カレンダーで平滑化し、物理的な密度を高めることで透明感と油の染み出しにくさを生み出した紙です。一方の硫酸紙(パーチメントペーパー)は、原紙を希硫酸で化学処理し、繊維同士を強固に結合させて耐水・耐油性を持たせた強靭な紙を指します。どちらもロウなどのコーティング剤に頼らない構造のため、一定の耐熱性を持ち合わせています。これに対して、ワックスペーパーはあくまで「表面に油脂・ロウを塗布した紙」であるという根本的な違いが存在します。