彼女の獄中結婚劇において最も大きな波紋を呼んだのは、有名週刊誌の現役デスクとの婚姻であった。取材する側と取材される側という緊張関係の果てに、週刊誌記者が受刑者の配偶者となる異例の事態。世間はこのニュースに目を見張り、メディア倫理のあり方を巡って激しい議論が巻き起こった。
彼女は巧みだった。自らの手記や日記をメディアに提供し、時には「作家」のような振る舞いで自己をプロデュースした。文章の中に漂う、自己中心的でありながらどこか蠱惑的な空気感。それに呑み込まれたのは、長年事件取材に携わってきたプロのジャーナリストさえ例外ではなかったのだ。メディアすらも自らのストーリーを引き立てる小道具にしてしまう凄みが、そこにはあった。