マヒナスターズの解散や和田弘の他界を経て、彼は単なる歌手の枠を超えた「歌謡漫談」という独自のジャンルを確立していく。大手芸能事務所である浅井企画に所属して以降、ギターと算盤を手に、哀愁漂う美声と自作のイラストで爆笑をかっさらう唯一無二のスタイルは一気に開花した。
彼の真骨頂である昭和歌謡への偏愛は、かつて実家で兄と共有していたノスタルジックな空気感と深く結びついている。古き良き時代の名曲を語る際に見せる少年のような眼差しは、実家の居間で兄とともに歌を聴いていたあの頃の姿そのものである。笑いの中に混ざり合う一抹の切なさは、兄弟で育んだ感性の結晶と言っても過言ではない。