スポンサー企業が番組提供を見合わせ、自社のCM出稿を自粛する最大の動機はレピュテーションリスクの回避だ。番組内容や局側の不祥事、あるいは出演者のトラブルが社会的な議論を呼ぶと、企業の危機管理部門は即座に動き出す。「ブランドイメージの棄損を防ぐ」という至上命令のもと、提供表示の取りやめやCMの差し替えが迅速に判断される仕組みだ。
そうして急遽生じた空白のCM枠に流されるのが、公益社団法人ACジャパンの公共広告である。局側としては無音の放送事故を防ぐため、あらかじめ差し替え用として用意されている公共コンテンツを放映せざるを得ない。しかし、この差し替えが局所的ではなく主要な時間帯全体に波及したことで、視聴者に対する印象はいっそう際立つ結果となった。