「福山夏まつり2023」は本来、8月13日から15日までの3日間にわたって市域全体を巻き込む壮大なプログラムで構成されていました。
福山市公式記録によると、初日である8月13日の「二上りおどり大会」は26団体が参加し、伝統の四ツ竹を打ち鳴らす優雅な熱気で開幕。続く14日の「福山ゆかたまつり」でも、市内中心部商店街や中央公園で「いろは丸YOSAKOI」の力強い演舞が披露され、浴衣姿の市民や多くの夜店で街中が活況を呈していました。
しかし、3日間の集大成である15日の「あしだ川花火大会~福山まちじゅう花火~」を目前にして、状況は暗転します。当時の気象庁予報では、台風7号が紀伊半島から近畿・中国地方を縦断する進路が濃厚となり、15日当日は瀬戸内海沿岸でも局地的な豪雨と突風が吹き荒れる予候が示されていました。
公式発表資料によると、関係者による緊急協議の末、福山市公式発表として「あしだ川花火大会の中止」が電撃的に告知されました。SNSや掲示板では、待ち望んでいたファンの落胆と賛同が交錯しました:
「4年ぶりに家族で有料席を確保して楽しみにしていただけに悔しすぎる。けれど、芦田川の水かさが増したらひとたまりもないから、命を守る英断だと思う」
「遠方から新幹線とホテルを押さえていたので直前のキャンセル対応が大変だった。それでも前日夜に早めの判断を出してくれたのは良心的だった」
ローチケやイープラスを通じた福山花火大会有料席チケットの払い戻しは速やかに実施されましたが、出店準備をほぼ完了させていた屋台業者や、大量の食材を仕入れていた周辺店舗にとっては、直前の中止決定が重い経済的打撃となったことも現場の隠れた現実でした。