インターネット上のファッション情報には、一見もっともらしく見えて実際にはバランスを崩す誤解が散見されます。その最たる例が「小顔に見せたいなら、大きな帽子で顔を覆い隠せばいい」という言説です。
錯視の観点から検証すると、大きすぎるニット帽は頭部全体のシルエット(ヘッドサイズ)を肥大化させ、かえって身体全体の等身バランスを損ないます。スタイルを良く見せる本質は「顔単体の小ささ」ではなく、全身に対する「頭部の比率」です。ボリュームのあるローゲージニットを深く被ると、全身鏡で見たときに頭でっかちな印象を与え、身長が低く見えてしまう弊害が生じます。
もうひとつの盲点は「折り返し幅の放置」です。市販のワッチキャップの折り返し幅は標準で固定されていますが、着用者の額の広さや眉の位置に合わせて微調整するのが本来の着こなしです。額が狭い人は折り返しを細くして額の露出を稼ぎ、額が広い人は幅を太くして顔の長さを抑えるといった微細なカスタムこそが、プロが見せるこなれ感の正体です。