シャチに食べられた人は実在するのか?死亡事故の真相と襲わない理由

シャチに食べられた人は実在するのか?死亡事故の真相と襲わない理由

シャチに食べられた人は実在するのか?死亡事故の真相と襲わない理由についての真相をお届けします。

「野生のシャチは人間を絶対に襲わない」という言説が広まる一方で、極めて稀ながら自然界で人間が噛まれたり、接触されたりした事例は存在します。代表的な記録を精査すると、そこにはある共通したパターンが見て取れます。

最も著名な記録は、1972年に米国カリフォルニア州ポイント・サール沖で発生したサーファー襲撃事故です。当時サーフィンをしていたハンス・クレッチマー(Hans Kretschmer)氏は、突然海中から突き上げてきた大型生物に足を噛まれ、100針以上を縫う重傷を負いました。この生物こそが野生のシャチでした。しかし、シャチは一度噛みついた直後、人間であると悟ったかのように即座に口を離し、深海へと泳ぎ去っていきました。肉を食いちぎることも、溺れさせることもありませんでした。

シャチに襲われた人々の現在を追跡取材した報告によると、クレッチマー氏は治療を経て無事に社会復帰を果たしており、後年のインタビューで「シャチはウェットスーツを着た私をアザラシと見間違えたに過ぎない。もし本気で食べる気があったなら、私の身体は瞬時に両断されて胃袋に入っていたはずだ」と冷静に振り返っています。

また、2000年代以降にアラスカ沿岸などで報告されたダイバーへの突進事例や、近年ジブラルタル海峡で頻発している小型ヨットへの体当たり行動(舵の破壊事案)を検証しても、シャチがボートから投げ出された人間を捕食しようとした例は一件もありません。海洋学者らは、これらを「若年個体による知的好奇心に基づいた遊び」または「過去の船舶衝突に対する防衛的学習」と結論付けています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。